横浜市金沢区釜利谷東『金沢文庫駅』

MAP
045-783-2200

横浜市金沢区の産婦人科、迫田産婦人科の医院ブログ

コンテンツ
求人情報QRコード

その他

  • 件 (全件)
  • 1

常位胎盤早期剥離 (じょういたいばんそうきはくり)

常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)

自分を信じてみれば

自分を信じてみれば常位胎盤早期剥離簡単に言うと、常位胎盤早期剥離(早剥)とは胎盤が児娩出の前に剥がれてしまうことである。

通常のお産は、先ず赤ちゃんが娩出(分娩)され、その後胎盤が出てくるわけです。
この胎盤が出てきて分娩は終了となるわけです。

常位胎盤早期剥離とは赤ちゃんの娩出の前に、胎盤が子宮の壁から剥がれてしまうことです。

胎盤が子宮から剥がれれば、赤ちゃんへの酸素の供給は減少し、生命が危うくなります。また、胎盤と子宮の間で出血がおこり、この出血がさらに種々のメカニズムにより、出血を止めにくくする出血傾向を引き起こします。この出血傾向が起こると母体は危機的になります。つまり、常位胎盤早期剥離とは、赤ちゃんばかりではなく、母体の生命を脅かしかねない危険な状態なのです。

症状は腹部全体の激痛です、陣痛も痛いですが、比べ物になりません。痛がりかたが尋常ではないことにより、超音波断層法により診断します。

私の記憶にもこの常位胎盤早期剥離は数例ありますが、一番記憶に残っている症例を紹介します。

そのとき私は、ご他聞に漏れず、大学の医局人事で関連病院に勤務しておりました。週末には月に1~2回ほど大学から応援にきてもらっており、月に3,4日は自由な時間を満喫していました。

ある時、その応援の後輩医師からポケットベル(その当時、もちろん携帯はありませんでした、ですからベルが鳴るとドキッとしたものです。今は幸せですね。私の先輩などは泳ぎに出かけていて、ベルを海岸において泳いでいたものですから、ベルの音に気づかず、海水浴客から大声で知らせてもらい、血相変えて病院に駆けつけるなんてこともあり、まさに水もしたたるいい男でした。) が鳴り、陣痛が始まっている患者の胎児心拍モニターが妙だとのことでした。

急いで病院に戻りそのモニターを見ると確かにおかしい、20分ほど観察していたが胎児の元気がない、超音波断層法でも同様の所見だった。状況を患者、家族に説明し、緊急の帝王切開を決めた。

手術は順調で、児も小さいが元気であった、あのモニターはなんだったのだろうと、その後輩と話していると、まさに胎盤の異常に気づいた。

胎盤の子宮側に血種(血液の塊)が広い範囲に付着していた。常位胎盤早期剥離だったのである。二人で、帝王切開にして良かったですね~と安堵していると、そこからまさに教科書通りのことが起こりだした。出血傾向である、そこからは正に死に物狂いだった、出血を止めるための針穴から更に出血、それを止めようとするとまた出血。骨盤内は血液であふれ出した、血圧が下がってきた、やばい、死ぬかもしれない。手術中に死なすわけにはいかない。

しかしながら、神は存在するものだ、必死に圧迫止血をし、輸液、輸血を繰り返していくと血圧も上昇し出血傾向もおさまった。あわただしく、かつ慎重に閉腹し手術を終えた。術後の経過も良く母児ともに元気で退院した。

ここで、後輩の有行先生に感謝を述べたいと思います。麻酔、手術、全てを私と彼との二人でおこなった。その後、一回だけ彼と会う機会があったがそのことを懐かしそうに話した。しかし、彼はそれから違う道を歩んでいる。あんなに優秀な産婦人科医だったのに、残念でならない。今後の活躍を期待しています。

常位胎盤早期剥離の原因は、妊娠高血圧症候群、羊水過多、外回転術、子宮内胎児発育遅延、腹部への打撲などが考えられますが、原因不明も多いようです。

ちなみに、分娩が急速に進行して、病院に着くまでの車の中で赤ちゃんが生まれる、こういったケースは稀ですが、有り得ます。この時に大切なことは、赤ちゃんの保温です。タオルを巻いて保温してあげてください。それから、臍の緒はそのままにしておいてください、無理に引っ張ったりしてはいけません。無理に引っ張ると臍の緒がちぎれたりします。パニックにならずに、冷静に、保温に注意してください、車のエアコンの温度を上げましょう。それから心のゆとりがあれば、自分の下腹部(おへそから下)をマッサージしてください。これは胎盤の娩出を早めますし、出血量を減少させます。

更に付け加えると、妊娠中はお腹が苦しいとかお腹が張るといったことがありますが、この時には子宮をさすってはいけません。子宮が収縮しかえって逆効果です。そういう時には、よしよしといった感じで手の指の腹で優しく子宮を触りましょう。

2013-06-18 11:27:30

コメント(0)   |  トラックバック (0)

ブライダルチェックと妊娠

ブライダルチェックと妊娠

妊娠が分かってからでは遅すぎることも、定期健診は必要です。

ブライダルチェックとは、結婚前に、これから人生を共にする二人が健康に過ごすために行なうメディカルチェックのことです。女性の場合は、将来の妊娠を踏まえた検査が必要になります。

内容は性感染症、婦人科良性疾患(子宮筋腫、卵巣腫瘍)、子宮奇形、子宮がん検診、更に、肝炎チェック(B型、C型)、肝機能、腎機能、貧血、血液型、糖尿病、血圧、風疹の抗体検査などがあります。 私見ですが、結婚年齢が上がってきているせいか、妊娠の診断と子宮筋腫や卵巣腫瘍などの診断を一緒にするケースが増えてきています。妊娠という喜びの中、子宮筋腫や卵巣腫瘍の病名を告げなければならない時は非常に複雑な思いをします。
子宮筋腫を合併した妊娠の場合、流産早産のリスクが高まります。あくまでもリスクの問題ですので、何も無く正常に分娩される方も多いのですが。また、妊娠中の筋腫は変性をきたし、疼痛を起こすことがあります。
この疼痛はかなりのもので、妊娠中ですので痛み止めを使うわけにもいかず、やむなく手術(筋腫核出術)をしなければいけないケースがあります。
分娩の際も、筋腫のできている場所によっては胎児の下降が進まず、帝王切開を選択せざるを得ないことがあります。更に、分娩後は子宮収縮が不十分となることもあり、出血量が多くなることもあります。

妊娠と卵巣腫瘍の合併もよく見られます。卵巣腫瘍の場合は、それが良性なのか悪性なのかの診断が先ず必要ですが、卵巣の場合その診断は子宮に比べ難しいのです。妊娠していなければCTやMRIなどの画像診断が可能ですが、妊娠していると胎児への影響を考え積極的には行なえません。

子宮癌検診も今や20代から積極的に行なう時代です。20代の子宮癌が増加しており、妊娠中に初めて子宮癌検診を行なうということは避けて欲しいと思います。 今まで述べた婦人科疾患はあるいは検査は、妊娠する以前に定期的に行なうことが必要です。妊娠と同時にそれらの疾患を診断されるのは肉体的にも精神的にもかなりの苦痛だと思います。
産婦人科は敷居が高いです、でもそんなことは言っておられません。明らかに、婦人科疾患は増加しており、発症年齢が若年化しております。

ブライダルチェックいや婦人科チェックを1年に一回は受けてください。絶滅危惧種の中年男性産婦人科医からの切なる願いです。

2013-06-18 11:26:25

コメント(0)   |  トラックバック (0)

  • 件 (全件)
  • 1

ページトップ