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常位胎盤早期剥離 (じょういたいばんそうきはくり)

常位胎盤早期剥離 (じょういたいばんそうきはくり)

常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)

自分を信じてみれば

自分を信じてみれば常位胎盤早期剥離簡単に言うと、常位胎盤早期剥離(早剥)とは胎盤が児娩出の前に剥がれてしまうことである。

通常のお産は、先ず赤ちゃんが娩出(分娩)され、その後胎盤が出てくるわけです。
この胎盤が出てきて分娩は終了となるわけです。

常位胎盤早期剥離とは赤ちゃんの娩出の前に、胎盤が子宮の壁から剥がれてしまうことです。

胎盤が子宮から剥がれれば、赤ちゃんへの酸素の供給は減少し、生命が危うくなります。また、胎盤と子宮の間で出血がおこり、この出血がさらに種々のメカニズムにより、出血を止めにくくする出血傾向を引き起こします。この出血傾向が起こると母体は危機的になります。つまり、常位胎盤早期剥離とは、赤ちゃんばかりではなく、母体の生命を脅かしかねない危険な状態なのです。

症状は腹部全体の激痛です、陣痛も痛いですが、比べ物になりません。痛がりかたが尋常ではないことにより、超音波断層法により診断します。

私の記憶にもこの常位胎盤早期剥離は数例ありますが、一番記憶に残っている症例を紹介します。

そのとき私は、ご他聞に漏れず、大学の医局人事で関連病院に勤務しておりました。週末には月に1~2回ほど大学から応援にきてもらっており、月に3,4日は自由な時間を満喫していました。

ある時、その応援の後輩医師からポケットベル(その当時、もちろん携帯はありませんでした、ですからベルが鳴るとドキッとしたものです。今は幸せですね。私の先輩などは泳ぎに出かけていて、ベルを海岸において泳いでいたものですから、ベルの音に気づかず、海水浴客から大声で知らせてもらい、血相変えて病院に駆けつけるなんてこともあり、まさに水もしたたるいい男でした。) が鳴り、陣痛が始まっている患者の胎児心拍モニターが妙だとのことでした。

急いで病院に戻りそのモニターを見ると確かにおかしい、20分ほど観察していたが胎児の元気がない、超音波断層法でも同様の所見だった。状況を患者、家族に説明し、緊急の帝王切開を決めた。

手術は順調で、児も小さいが元気であった、あのモニターはなんだったのだろうと、その後輩と話していると、まさに胎盤の異常に気づいた。

胎盤の子宮側に血種(血液の塊)が広い範囲に付着していた。常位胎盤早期剥離だったのである。二人で、帝王切開にして良かったですね~と安堵していると、そこからまさに教科書通りのことが起こりだした。出血傾向である、そこからは正に死に物狂いだった、出血を止めるための針穴から更に出血、それを止めようとするとまた出血。骨盤内は血液であふれ出した、血圧が下がってきた、やばい、死ぬかもしれない。手術中に死なすわけにはいかない。

しかしながら、神は存在するものだ、必死に圧迫止血をし、輸液、輸血を繰り返していくと血圧も上昇し出血傾向もおさまった。あわただしく、かつ慎重に閉腹し手術を終えた。術後の経過も良く母児ともに元気で退院した。

ここで、後輩の有行先生に感謝を述べたいと思います。麻酔、手術、全てを私と彼との二人でおこなった。その後、一回だけ彼と会う機会があったがそのことを懐かしそうに話した。しかし、彼はそれから違う道を歩んでいる。あんなに優秀な産婦人科医だったのに、残念でならない。今後の活躍を期待しています。

常位胎盤早期剥離の原因は、妊娠高血圧症候群、羊水過多、外回転術、子宮内胎児発育遅延、腹部への打撲などが考えられますが、原因不明も多いようです。

ちなみに、分娩が急速に進行して、病院に着くまでの車の中で赤ちゃんが生まれる、こういったケースは稀ですが、有り得ます。この時に大切なことは、赤ちゃんの保温です。タオルを巻いて保温してあげてください。それから、臍の緒はそのままにしておいてください、無理に引っ張ったりしてはいけません。無理に引っ張ると臍の緒がちぎれたりします。パニックにならずに、冷静に、保温に注意してください、車のエアコンの温度を上げましょう。それから心のゆとりがあれば、自分の下腹部(おへそから下)をマッサージしてください。これは胎盤の娩出を早めますし、出血量を減少させます。

更に付け加えると、妊娠中はお腹が苦しいとかお腹が張るといったことがありますが、この時には子宮をさすってはいけません。子宮が収縮しかえって逆効果です。そういう時には、よしよしといった感じで手の指の腹で優しく子宮を触りましょう。

2013-06-18 11:27:30

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