当ページをご覧になっている……ということは、
これってもしかしたら膣トリコモナス症(トリコモナス膣炎)なの?
こんな感じで、膣の痒みやおりもののニオイが気になってトリコモナス膣炎についてネットで調べまくってましたね?
膣トリコモナス症はクラミジアや淋病、膣カンジダ等とくらべて少々マイナーな性病というイメージではありますが、一度感染すると非常に厄介な性感染症の1つ。
知名度こそ他の性感染症にくらべ低いものの、女性の約5~10%が感染するという超メジャーな面もあり、セックス以外の感染パターンも多いため、残念ながら気をつけても完璧に防ぐことが不可能な性病なのです。(セックス以外で感染する人も多いです)
ここでは放置すれば進行して卵管炎や不妊症のリスクも高まる、 女性にとっては絶対にかかりたくない性感染症、トリコモナス膣炎の初期症状や感染経路、治療や予防方法を徹底的にまとめてみました。
結論から先にいいますと、『膣が痒い!おりものが臭い!』と少しでも違和感を感じたら悩む前に早めに検査がおすすめです。
症状だけでは判断できないトリコモナスの場合、感染しているかどうかは最新のラボで検査する以外に方法はないため、簡易検査キットでもいいので感染の有無をご確認ください。
早期に検査を実施し正しい治療を開始すれば、他の性病より比較的短期間で完治できますよ
※記事内にアフィリエイト広告が含まれる場合があります
膣トリコモナス症に感染するとどうなるの?特徴と症状
性感染症の大半は真菌やウィルスが感染することで引き起こされますが、膣トリコモナス症の場合、トリコモナス原虫という小さな生物が寄生することで発症します。
またトリコモナス原虫が膣に寄生して炎症を起こすことからトリコモナス膣炎とも呼ばれています。以下は東京都の保健福祉局のデータをもとに作成したグラフとなります。まずはご覧ください。
2007年あたりをピークに徐々に減少傾向のみられた膣トリコモナス症ですが、ここ数年で停滞~増加傾向に変わりつつあることが確認できます。
もちろん上記のデータはあくまで全感染者の中でも報告数に過ぎません。実際には相当数の感染者がいるのは容易に想像できるかと思います。
大半はセックスで感染するが、それ以外の感染経路も・・・
9割以上はセックス、オーラルセックスにより感染しますが、もともと女性の膀胱や尿道、男性の尿道や前立腺に寄生しているケースもあります。
そのため感染に気づかず、過労や風邪気味・・・といった免疫機能が低下したタイミングで発病をするケースもあるのでご注意ください。
参考までに、以下に膣トリコモナス症を含めて注意しておきたい性感染症をまとめておきます。他の性感染症の症状も合わせてご確認下さい。
病名 | 特徴 | 症状 |
---|---|---|
梅毒 | 主に粘膜の小さな傷から細菌が侵入HIVとの重複多し 男性間でのアナルセックスでの完成率高し |
約3週間程度で感染部位に米粒~小豆大の硬くて赤いしこりができる |
性器クラミジア | 男女とももっとも感染者の多い性感染症 感染者ダントツ一位 |
尿道の炎症により排尿痛、女性の場合は不正子宮出血や下腹部痛、性交痛 |
淋菌感染症 | ここ数年で男性に急増中 喉からの咽頭淋菌も急増中 |
尿道炎から強い排尿痛、尿道から黄色い膿、女性はおりもの増加、頻尿、排尿痛 |
尖圭コンジローマ | 性器周辺にとがったイボが密集してできる | 性器~肛門にかけて鶏のトサカやカリフラワーのような薄茶色のイボが集中してできる |
性器ヘルペス | 一度ウイルスに感染すると潜伏し続け体調により発症を繰り返す。比較的女性に多い | 陰茎、亀頭に水疱~潰瘍、女性の場合は外陰に水疱、破れると激しい痛みで発熱や排尿痛も |
トリコモナス膣炎 | トリコモナスという原虫が陰部に感染して発症、主に女性が感染 | 膣炎や外陰炎を引き起こし、悪臭をともなうおりものと強い痒み |
B型肝炎 | 主に血液感染が中心だが性行為によっても感染することも HIVとの重複多し |
全身の倦怠感、食欲不振、黄疸という症状が一般的、中には症状がほとんどみられない方も多い |
セックスしてないのに感染!? 性交渉以外の主な感染経路
真菌やウイルスにくらべ、トリコモナス原虫の感染力はとても強く、感染源の方の性器から排出された状態で、しばらくは活発に活動しています。
真菌やウイルスと違い、感染源の体を離れても一定期間については十分に感染力をもっています。そういった面では危険な性感染症といえます。
レアケースではありますが、不潔な便座や温泉やスパのような公衆浴場で感染するケースもあります。
また膣トリコモナス症の方が使用してしたタオルにはトリコモナス原虫が付着している可能性があります。
これらを使いますことで感染する可能性も十分にあるのでご注意ください。
トリコモナス膣炎の症状を男女で比較
トリコモナス膣炎とよばれるケースが多いため、中には『膣炎って、これって女性のなる性病でしょ!?』こんな方もおられるかもしれませんが、普通に男性も感染します。以下、男女のトリコモナスの症状を解説します。
女性のトリコモナス膣炎は強い痒みとおりものの異変
膣トリコモナス症に感染した場合、約10日ほどの潜伏期間を経て、膣、尿道、膀胱に炎症が生じて強い痒みや痛みが生じます。
また、悪化すると尿道、膣の炎症によって排尿痛、性交痛やセックス時の違和感がみられるのも膣トリコモナス症の特徴の1つ。
そして注意して欲しいのがおりものの変化・・・個人差はありますがおりものに様々な異変がみられます。
悪臭のある泡立ったおりものが増え、症状がさらに悪化することで黄色~緑がかったおりものに変化する方もいます。
そのまま放置してしまうと、外陰部がただれて尿道炎や外陰炎なども引き起こしますのでお気をつけ下さい。
女性のトリコモナス膣炎の主な特徴
- 悪臭の強いおりもの、おりものが黄色・緑色、泡状のおりもの
- 外陰部の腫れやただれ、強い痒みや痛み
- 排尿時の違和感、排尿痛、膣壁から出血
- 性交時の違和感、膣の痛み
男性のトリコモナス症の主な症状
男性の場合、トリコモナス原虫に感染しても女性のようにハッキリとした自覚症状はほとんどありません。
症状が悪化した場合、まれに排尿時の違和感や排尿痛や尿道から膿が生じるケースもあります。この時点ではじめてトリコモナス感染に気づくかたがほとんどです。
女性と違い、男性の場合はトリコモナス原虫が尿と一緒に尿道から排出されるケースが多いため、深刻な状態まで悪化するケースは少なく、気づいたら改善している方もいるようです。
症状の軽い男性でも悪化すれば大変なケースも…
状況によっては内部に感染し前立腺や精のうに炎症を引き起こし、尿道炎や前立腺炎まで発展するケースもあります。ご注意ください。
ここまで進行した場合、すぐに内服薬を服用しなければどうにもならない状態・・・必ず医師に相談されることをおすすめします。
このように男性の場合、トリコモナスに感染しても自覚症状が少ないのが大半です。
結果、トリコモナス感染に気づかないまま、特定多数とセックスを続け周囲に拡散しているケースも多いです。
感染源としては女性のトリコモナス膣炎以上に要注意といえるでしょう。
トリコモナス膣炎の感染経路
先ほどお伝えしたように、膣トリコモナス症は基本的にセックスにより感染するパターンが大半です。
とはいえ下着やタオルの使い回し、公共施設のトイレや公衆浴場といった感染経路もあります。
実際にトリコモナス感染につながるようなセックス(オーラルも含む)経験がないのに感染してしまうケースも少なくありません。
そういった部分では、他の性感染症よりも感染経路が複雑なのでご注意ください。
膣トリコモナス症=乱れた性生活…と誤解してはいけない!
中にはご自分、またはパートナーの方が感染した時、性病(性感染症)=乱れた性生活とイメージされる方もいます。
ですが膣トリコモナス症は他の性感染症とは違います。上記の考えはお捨てください。
いずれにせよ感染経路が複雑極まりないトリコモナス膣炎の場合、セックスの頻度に関係なく、性器やおりものの異常を感じたら早めの検査が大切になってきます。
強い痒みがおさまらない・・・トリコモナス膣炎の検査を!
トリコモナス膣炎の検査ついて簡単にお伝えしておきます。
まず女性の場合、おりものや膣分泌液、男性の場合は尿や前立腺液を採取し、顕微鏡でトリコモナス原虫の有無を確認します。
明らかに真菌やウィルスよりも大きなトリコモナス原虫、検査を行えば比較的簡単に検出できます。
顕微鏡検査と培養検査の2種類を併用するケースが一般的な検査方法です。
早期の発見!トリコモナス膣炎の治療の流れ
もしトリコモナスに感染していることが確認された場合、内服薬を7~10日程度継続し、トリコモナス原虫を取り除きます。
また女性の場合、膣の中に座薬を入れたり軟膏を塗る方法もあります。
約1週間程度で症状は改善されます。感染すると厄介な面もありますが、性感染症の中でも治療期間が短いのが特徴です。
いずれにせよ、女性が完治してもパートナーの男性がトリコモナスに感染している場合はかならず再感染します。
性感染症すべてにいえることですが、検査と治療は2人同時に行うことが必須となります。
抗トリコモナス剤とは?
治療薬として用いられるのが、抗トリコモナス剤のフラジール錠、アスゾール錠、ハイシジン錠とよばれる治療薬です。
どの抗トリコモナス剤を用いるにせよ、通常は約7~10日程度でトリコモナス膣炎の症状はおさまります。
注意すべき部分としては、抗トリコモナス剤の多くはアルコールとの相性が悪いこと。治療期間中はアルコールの摂取を控えておきましょう。
トリコモナス膣炎を予防、治療後に再発を防止する!
感染しても症状の出ない方が約2~5割程度いるものの、男性にくらべて感染すると症状が重いのが女性のトリコモナス膣炎の特徴です。
とくに注意しておきたいのが自覚症状が少ないために放置して悪化させてしまうこと。
女性のトリコモナス膣炎を放置すると・・・
症状の軽い男性に比べ、女性の場合は治療せずに放置した場合、深刻な状態を招きます。ご注意ください。
もし炎症が卵管まで進んでしまうと不妊症や流産、早産のリスクも高まるため、妊娠を控えた女性についてはとくにご注意ください。
正直、セックスやオーラルセックスだけで感染する他の性感染症よりも予防は困難です。
日常生活でも普通に感染リスクのある性感染症なので予防より感染して早期に対処できるかがポイントです。
おりものの変化、外陰部の違和感、強い痒み・・・といった異常にどれだけ早く気がつくことができるか。というのがトリコモナス膣炎対策のポイントといえるでしょう。
もちろん症状が収まるまでの治療期間、約1週間~10日程度は大好きなパートナーとのセックスは厳禁です。
原虫がしっかり除去できたことを確認後にガンガン楽しんでください。
クラミジア感染症や淋菌感染症、性器ヘルペスといった他の性感染症と同じく、自分が完治してもパートナーから再度感染してしまうピンポン感染の可能性の高い性感染症です。
感染経路が複雑なトリコモナス膣炎、自信をもってパートナーに報告を!
ご自分が感染していた場合、相手が引いてしまうことを恐れるあまり、感染を告げずにセックスを続ける方もいますが、結果として必ず感染させて発覚します。
ですが大切なパートナーを大切に思うからこそ、すぐに報告してパートナーの方も一緒に検査を受けてもらって下さい。
何度も申し上げますが、トリコモナス膣炎は日常生活でも普通に感染する感染症です。きちんと説明することで変に勘ぐられることもありません。ご安心ください。
しっかりと治療を開始すれば約1週間でできます。今後のセックスライフを充実させるためにもできるだけ早く検査だけでも受けておきましょう!