当記事にたどり着いたアナタはもしかすると……
などなど、ビラビラ(外陰部)の強烈な痒み、おりものの状態が気になり何らかの性病かとネットで調べまくっていたのでは?
結論から先にいうと、そういったビラビラやおりものの異常の場合膣カンジダ(カンジダ膣炎)という性病の可能性が高いでしょう。10代から50代女性の20%の人が感染するという超メジャーな性病です。
当記事ではそんな膣カンジダの症状や感染経路、検査や治療、予防対策について徹底的に調べあげ、膣カンジダになった場合の手順についてまとめています。
また他の性病と違い、膣カンジダは常在菌によって体調やホルモンバランスしだいで簡単に発症し、一度発症すると再発しやすいという特長のある膣カンジダは早期発見・早期治療がポイント。
なので自宅で簡単にできる、簡易検査キットなんかでも構わないので、怪しい場合は早期に検査を受けておくことをおすすめします。
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膣カンジダになるとどうなるの?初期症状や感染経路
数ある性感染症の中でも10代から50代女性のうち、実に4~5人に1人が経験しているという膣カンジダ症。
膣カンジダ症とはカンジダ真菌が原因で発症する病気の1つ。そもそもカビの一種で女性の膣内に元からある常在菌です。
これらが何らかの原因によってカンジダ真菌が異常繁殖することで、膣カンジダが発症します。
女性にとってもっとも身近で、いつ発症してもおかしくない性病(性感染症)の1つですね。
膣カンジダの原因って?
先に述べたように、カンジダ真菌が引き起こす膣炎である膣カンジダ。
本来は害のない膣内のカンジダ真菌が異常増殖することで発症します。
そもそも健康な人の皮膚や粘膜にも常在するカンジダ菌ですが、ホルモンバランスの変化や免疫力の低下といった体調の変化が原因となって異常増殖を招くのがたいていのパターン。
そのため、一度カンジダ膣炎を経験した方は体調の変化やホルモンバランスの変化により何度も再発する方が多いようです。以下にカンジダ膣炎の経験の有無をグラフにしたものを添付しておきます。
こちらのデータからもわかるとおり、10代から50代女性の約5人に1人は膣カンジダを経験しています。数ある性感染症の中でも誰もが発症する可能性の高い頻度の高い症状には違いありません。
膣カンジダの初期症状は外陰の痒みとおりものの変化…見逃さないように!
膣カンジダの症状にはいくつかの典型的な症状があります。
主に外陰部(びらびら)の痒みとカッテージチーズ状のおりものが特徴的で、他にも以下のような症状がみられた場合、まずは膣カンジダを疑ってみた方がいいでしょう。
女性の膣カンジダの具体的な症状
- 膣および周辺の激しい痒み
- 白い酒粕のようなおりもの、または粘度の高いおりもの
- 膣のヒリヒリ感や灼熱感・過敏
- 外陰部(びらびら)周辺の発疹
- 排尿痛・排尿時の違和感
- セックス時の痛み(性交痛)
男性のカンジダの症状
上記のような女性の膣カンジダの症状にくらべ、男性の場合は軽い排尿痛や陰部の軽い痒みが生じるだけなので、気付かれないケースも多く、結果として放置されやすい性感染症の1つといわれています。
以下のような特徴が見られた場合、膣カンジダの女性とセックス又は接触を疑ってみてください。
男性のカンジダでみられる症状の特徴
- 亀頭部の痒みやただれ、亀頭周辺に白いカスが付着する
- 亀頭に小さな水泡がいくつもできる
- 排尿痛、排尿時の違和感、尿道炎に近い症状
膣カンジダの原因と感染経路
そもそもカンジダ菌は健康な女性の皮膚や口腔粘膜、消化管に存在する常在菌です。
しかし過労や過度のストレス、生理前のホルモンバランスの変化といった日常生活において免疫機能が低下することで、膣の中でカンジダ菌が増殖し、カンジダ菌が悪さをします。
よって膣カンジダの主な原因は日常生活によるものが大きく、一度でも膣カンジダになってしまうと再発を繰り返しやすい・・・という厄介な性感染症でもあります。
とはいえ日常生活を見直して膣カンジダを予防することも十分に可能です。
以下に膣カンジダの発症しやすいシチュエーションをまとめておきます。参考にしてみてください。
膣カンジダの発症しやすいシチュエーション
- 寝不足や過労といった免疫力の低下
- 抗生物質の使用
- ステロイドの使用
- 糖尿病
- 生理の前後などのホルモンバランスの変化
- ガードル、ストッキング等通気性が悪く締め付けの強い下着の着用
- 妊娠
上記のようなタイミングやシチュエーションによってカンジダ菌は増殖し、宿主の抵抗力が落ちたタイミングを見計らって、とたんに暴れ出します。
つまり膣カンジダを予防するには不特定多数の相手とセックスやオーラルセックスを行うのを控えること。
再発型の膣カンジダを繰り返す方は、極力発症していない時でもしっかりとコンドームを着用し(着用してもらい)、日常生活でなるべく免疫力が低下しないように配慮してください。
膣カンジダかも!? カンジダが発症したら早めの検査と治療を!
膣カンジダの検査は基本的に膣の分泌物を調べます。
また膣カンジダがパートナーとのセックスにより感染された可能性が高い場合、パートナーもカンジダに感染している可能性が非常に高いです。かならず二人揃って検査しておくべきでしょう。
膣カンジダを薬で治す!カンジダの治療方法
女性の場合、膣剤を約1週間程度使用して強い痒みが治まらない場合は抗真菌剤の含まれた軟膏によって痒みを抑えます。
また膣カンジダの治療期間中には注意しておくべきことが何点かあります。せっかく治療を開始しても効果が弱まることや、ときには悪化するケースもあります。
以下に膣カンジダの治療期間中に注意すべきポイントをまとめておきます。
膣カンジダの治療期間中の禁止事項
- 膣カンジダの症状が悪化するだけでなく、パートナーを感染させるリスクが高いため、治療期間中のセックスは控えてください
- 膣剤が洗い流されて効果が弱まるため、期間中はタンポンやビデ(腟内洗浄)は使用を控える
- 家族やパートナーへの感染を予防する意味でも、治療が終わるまでタオルの共用は控えて下さい
- 外陰部(びらびら)を石鹸で強く洗うことで痒みが増したり症状が悪化することもあります。優しくぬるま湯で洗い流す程度で十分です
生活習慣から膣カンジダを防ぐ!おすすめのカンジダ予防と再発防止
では実際に膣カンジダが発症した場合、どうやって対処すればよいのでしょうか?
治療を行うことも大切ですが、日常生活で膣カンジダの症状を軽減させることや早く完治させることもできます。
そこで以下に膣カンジダを予防、再発防止するための注意しておきたい日常生活のポイントをまとめておきますので参考にしてください。
日常生活で膣カンジダを予防するには
- 生理中以外のナプキンの使用は極力控え、コマメに交換する
- 排便時・排尿時にカンジダ菌が付着しないよう前から後ろに拭き取る
- 高温多湿はカンジダ真菌にとって好都合・・・入浴後はデリケート部分をしっかり乾燥させる
- 免疫機能を低下させないためにも、ストレスを溜め込まずしっかりと十分な睡眠時間を確保
- 通気性のよい下着、締め付けの無いゆったりとした服装を!
膣が痒い!おりものが変!膣カンジダと決めつけずに他の性感染症も疑うこと!
たしかに外陰部の強い痒み、おりものの異常といった膣カンジダの症状がみられた場合、膣カンジダの可能性が高いのは間違いありません。
ですが安易に膣カンジダと決めつけてしまうのも早計です。
というのも、外陰部(びらびら)や膣に強い痒みやおりものの異常は、なにも膣カンジダだけにみられる特有の症状でなく、他の疾患というケースもあります。
数ある性病(性感染症)の中には、膣カンジダの症状によく似た他の性病(性感染症)もあります。カンジダ膣炎の治療を始める前に、念のため他の性病(性感染症)も疑ってみてください。
以下に膣カンジダと症状が酷似している性感染症や疾患をまとめておきます。
※自己判断で勝手に治療したところで改善どころか悪化するパターンもあります。もしご自分で判断がつかない場合は医師や専門家に相談されることをおすすめします。
性器ヘルペス
外陰部(びらびら)に強い痒みだけでなく水泡(水ぶくれや)や潰瘍ができている場合は性器ヘルペスの疑いがあります。
こちらのグラフをご覧のとおり、クラミジアに次いで淋病と並んで感染者の多い性感染症です。
とくに初感染の場合、水泡のでき始めに外陰部にも強い痒みが生じるケースもあります。もし痒みを通り越して強い痛みや発熱が生じてきたら性器ヘルペスが濃厚です。
感染経路 | 性器ヘルペス感染者とのセックス、オーラル(ただし6割は症状が出ない) |
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特徴 | 単純ヘルペスウィルスによって引き起こされるウィルス感染症で陰茎や外陰周辺のむず痒さ、赤いブツブツを伴う |
潜伏期間 | 3日~7日間 |
症状 | 陰部周辺に赤いぶつぶつ 水泡(水ぶくれ)が破れて強い痛みが生じる 太もものリンパ節に強い痛みが生じる |
治療法と治療期間 | 抗ヘルペスウィルス薬の服用や点滴のより約3週間程度で症状は落ち着く(ただし重症の場合は入院の場合もあり) |
性器ヘルペスの症状や感染経路、治療や予防は以下のページで詳しく解説しています。膣カンジダと決めつけずに以下も参考にしてください。
接触性皮膚炎
外部に痒みが生じるだけでなく、赤いぶつぶつや炎症がひどい場合は接触性皮膚炎…いわゆる単なるかぶれのケースもあります。
下着や生理用品、抗真菌薬などの薬や避妊用具などが接触性皮膚炎の原因を症状を引き起こしている可能性もあります。
何が接触性皮膚炎の原因になっているか見つけ出して取り除くことで比較的容易に解消できます。以下に接触性皮膚炎の原因となりやすい物質を添付しておきます。
接触性皮膚炎の主な原因
刺激性接触性皮膚炎の原因 | 酸やアルカリなどの化学物質、石鹸、台所用洗剤、昆虫、毒性のある植物等 |
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アレルギー性接触性皮膚炎の原因 | ネックレス、イヤリング、ピアス、腕時計、メガネフレーム、衣服のホックやジッパー、コンドーム、皮革製品等 |
参考サイト 田辺三菱製薬 【症例図鑑 接触性皮膚炎】
もし原因がみつかった場合、直ちに取り除き、使用を中止してください。また必要であれば患部を洗い流して痒みや赤みが引かない場合はステロイド剤を使用します。
こちらも膣カンジダと間違われる方が多い症状です。念のためこちらも疑ってみてください。
膣カンジダを予防し、再発を防止する
膣カンジダ発症にはパートナーとのセックスやクンニリングスといったオーラルセックスにより膣カンジダが発症するケースもあります。
ですが大抵の場合は、すでに常在菌として体内に潜んでいたカンジダ菌が暴れ出すことで発症します。
よって疲労や過度のストレスといった日常生活での免疫機能の低下をできるだけ下げないよう体調管理を努めることが膣カンジダ予防の最大のポイントとなります。
膣カンジダを再発させない!これだけは注意しておこう
また何度もお伝えしていますが、過去に一度でも膣カンジダの経験がある方の場合、わりと簡単に再発します。
再発を予防するために、最低限、以下の部分には注意しておきましょう。
膣カンジダを再発させないための4つのポイント
- 発症中は挿入をともなうセックスはもちろん、フェラやクンニもNG
- 膣カンジダが落ち着くまで自分専用のタオルを
- 外陰部の痒みが強いからといって書き崩さないこと
- 入浴時に外陰部の石鹸でゴシゴシと強く洗いすぎないこと
挿入はもちろんフェラやクンニもNG
大切なパートナーを守るためにも症状がでている間はセックスやオーラルセックスは控えること
膣カンジダが落ち着くまで自分専用のタオルを
使用済みのタオルを介して膣カンジダが感染する可能性もあります。膣カンジダの症状が強い間はタオルの共用は控えてください
外陰部(びらびら)の痒みが強いからといって掻き崩さないこと
搔き崩した指から他の部分に感染するケースもある上に、外陰部に傷がつくことで膣カンジダの症状が悪化します
入浴時に外陰部の石鹸でゴシゴシと強く洗いすぎないこと
刺激により炎症がひどくなるだけでなく本来は皮膚を保護するその他の常在菌を洗い流してしまいます。ぬるま湯で軽く流す程度にしておきましょう。
膣カンジダの予防・再発防止のカギは普段の体調管理、気になる方は一度STD検査を!
ひとたび感染してしまうと体内に住み続け、免疫力が低下した途端に活発に暴れだすというカンジダ真菌。そういった意味では性器ヘルペスや口唇ヘルペスに近いタイプで、非常に厄介な性感染症の1つです。
とはいえしっかりと体調管理を行い免疫力をキープしておけばそうそう発症することもありません。もちろん症状が収まればこれまで通り楽しいセックスライフを続けても何も問題はありません。
いずれにせよ膣カンジダが疑わしい場合、当分はセックスは控え、すでにパートナーが感染しているケースも想定して、念のため2人でいっしょに検査を受けておくといいですよ!
膣カンジダ症に項目を絞って検査すれば、クリニックのように高額な検査費用はかかりません。比較的、治療を開始すれば早期に治るのが膣カンジダの特徴です。しっかり治してからガンガンに楽しんでくださいね!