「ちんちんから膿のようなものが出てきたけど、コレって性病だよね?」
ただ痛い、かゆいだけでも心配なのに、もしちんちんから膿のようなものが出てきたら…かなりショックなこと。
そんな不安な方にむけ、当記事では、どんな病気なのか、きちんと治療できるのかを解説します。
ペニスから膿のようなものが出る場合、どのような病気が疑われて、どんな病気の可能性があり、どう治療すればよいのか解説しています。
結論からいうと、何らかの性病に感染している可能性が高いのは事実です。まずは病院へ足を運ぶか、自宅で検査キットで確認しておきましょう。
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ペニスから膿が出る、膿が溜まる場合、これって どんな病気?
- 尿道から白い膿のような分泌物が出る
- ズボンが汚れている可能性があります。
- おしっこをしようとすると、白い膿のような液が出てくる
このような症状がある場合、クラミジア、淋菌、マイコプラズマ・ウレアプラズマ、トリコモナス、カンジダなどに感染していることが原因として考えられています。
尿道炎とは、尿道が何らかの病原体に感染し、炎症を起こした状態です。
尿道ではなく、亀頭が化膿して膿を出すこともあります。亀頭や包皮が何らかの病原体に感染し、ひどい炎症を起こした状態を亀頭包皮炎といいます。
いずれも性行為で感染することが多い感染症です。
放っておくと悪化し、パートナーにうつしてしまう危険性があります。自然に治ることは少ないので、早めの治療が必要です。
ペニスから膿が出るけどどうすればいい?
尿道から膿が出ている場合は、尿道炎の可能性が高いです。尿道炎の原因は前述のようにいくつか考えられますが、膿の色でおおよその見当がつきます。
膿が透明な場合
クラミジア、ウレアプラズマ・マイコプラズマ、トリコモナス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、一般細菌(大腸菌など)など
膿の色が白色の場合
クラミジア、淋菌、カンジダ
膿の色が黄色や緑色の場合
淋病
※ただし、細菌の量や混合感染によって色が変わることがあるので、あくまで目安としてください。
ちんちんが感染している(化膿している)
亀頭や包皮が化膿して膿が出ている場合は、亀頭包皮炎の可能性があります。
原因は複数ありますが、カンジダ(真菌)感染と細菌感染の2種類が考えられます。
亀頭包皮炎は、亀頭や包皮に病原菌が繁殖して起こる病気なので、包茎の人や亀頭が包皮に包まれている幼児はなりやすいと言われています。これは、包皮同士がこすれ合い、湿った環境で垢がたまりやすいからです。
ペニスから膿が出るとなぜ尿道炎なの?
尿道炎は、尿の出口から侵入した病原体が尿道内で増殖し、粘膜に炎症を起こすことで発症します。
炎症は、体を守る白血球が、今まさに病原体と戦っている証拠です。
そして、その戦いで死んだ白血球や病原菌、壊れた組織などが液体に含まれ、膿として出てくるのです。そのため、通常の体液に比べて粘り気があり、悪臭を放ち、色も黄色や緑色をしています。
尿道炎が悪化すると、病原体の感染が精巣上体(副睾丸)にまで及ぶことがあります。炎症が起きると精巣上体炎になり、精巣上体(副睾丸)の腫れや痛み、陰部全体の痛みへと症状が進行し、時には38℃以上の高熱を伴うこともあります。放っておくと陰部の尿道に膿がたまり、場合によっては皮膚が破れて膿が出てくることもあります。
尿道炎の病気の種類
尿道炎を起こす病気は、性感染症だけでもいくつかありますが、特に感染者に多いのが淋菌による尿道炎です。病原体の種類によって症状は様々です。症状や感染経路について説明します。
淋菌性尿道炎
細菌の一種である淋菌によって引き起こされる性感染症。男性の場合、尿道に感染することが多く、排尿時の激しい痛みと尿道から多量の膿が出るという特徴的な症状がある。
異性・同性を問わず性行為で感染し、性器に限らず、フェラチオで喉から、アナルセックスで肛門から感染することもある。感染力が強く、1回の性行為で感染する確率は30%とも言われています。
淋菌感染症の発症は、通常2〜9日後に起こります。症状は明確で、排尿時の激しい痛みと膿が出る。淋菌性尿道炎では、膿は黄白色、緑色、または濃い色で、大量に出ます。治療には抗生物質が必要ですが、飲むのではなく、注射をします。淋菌は薬に耐性があることが非常に多く、内服薬だけでは治療が難しいからです。
クラミジア尿道炎
クラミジア・トラコマティスという細菌に感染することで起こる尿道炎です。排尿時の痛みやかゆみ、膿などの症状が出ますが、淋菌性尿道炎に比べるとはるかに軽く、無症状の人もいます。
性感染症なので、オーラルセックスやアナルセックスなど性行為全般で感染しますが、感染率は淋菌よりさらに高く、30~50%程度です。
主な症状としては、排尿痛、尿道のかゆみ、不快感などがあります。また、少量の膿が出ることがあり、これは透明で水っぽいものです。
潜伏期間は1~3週間ですが、徐々に発症し、症状も軽いため、感染に気づきにくいのが特徴です。治療は内服薬を使用し、1回の服用で7日間効果が持続する効果の高い抗生物質です。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ尿道炎
マイコプラズマとウレアプラズマという細菌が原因で起こる尿道炎です。近年では、クラミジア、淋菌に次いで多い尿道炎の原因となっています。同じ病名で肺炎マイコプラズマという病気もありますが、尿道炎の原因菌とは別の菌です。
他の性感染症と同様に、オーラルセックスやアナルセックスなどの一般的な性行為で感染します。1~5週間の潜伏期間の後、排尿時の痛みや不快感、かゆみなどが起こります。
その他、尿道から透明または白色の膿が出たり、睾丸の痛みや腫れが出ますが、無症状のケースもあります。治療は抗生物質の内服ですが、淋病と同様に耐性菌が多いため、時間がかかることがあります。
トリコモナス尿道炎
肉眼では見えない小さな虫、膣炎原虫が原因で起こる病気。男性は女性に比べて症状が出にくいですが、病状が悪化して前立腺や精嚢に炎症が広がることがあります。
トリコモナスは、女性では膣や子宮頸部に、男性では前立腺や精嚢に寄生するため、膣内性交や自分の精液を介して感染する可能性が高くなります。また、病原体が昆虫であることから、タオル、下着、便器、浴槽などからの感染の可能性もゼロではありません。
感染後の潜伏期間は5〜28日です。発症すると、排尿時の軽い痛み、尿道の痛み、かゆみ、違和感があり、尿道から透明または白色の膿が出ることもあります。治療は、抗原虫薬によるものです。アルコールによって駆虫薬の副作用が強まるため、治療期間中はアルコールは厳禁です。
カンジダ性尿道炎
カンジダというカビ(真菌)の一種が原因で起こる感染症。カビとはいえ、健康な人間の体内にも存在する常在菌で、もともと持っている人も多いです。
健康なときは問題ないのですが、疲労やストレス、睡眠不足などで免疫力が低下したり、抗生物質などで常在菌のバランスが崩れると異常繁殖し、自己感染してしまうのです。また、カンジダは女性の膣内にも常在しているため、性行為によって感染することもあります。
感染から発症までは2〜7日程度です。尿道への感染はあまりありませんが、尿道炎になると排尿時にムズムズとした違和感や痛みを感じたり、透明や白色の膿が出ることがあります。抗真菌剤の内服薬や外用薬で治療します。
ペニスが化膿する病気について
尿道から膿が出るのではなく、亀頭や包皮が化膿して膿が出ることがあります。原因は、細菌や真菌(カビ)の感染です。原因菌や症状、感染経路などを見ていきましょう。
亀頭包皮炎
ペニスの先端である亀頭や、それを包む包皮に炎症が起こります。洗いすぎやこすりすぎなどの皮膚への刺激や、細菌・真菌の感染によって炎症が起こります。原因菌として考えられるのは、皮膚に多い黄色ブドウ球菌、腸に多い大腸菌、風俗店で感染することが多い溶連菌、女性に多いカンジダ菌などです。いずれも常在菌で、性行為による感染だけでなく、自己感染することもある。
細菌感染では2~5日、カンジダでは2~7日の潜伏期間を経て、亀頭や包皮が赤く腫れ、かゆみや痛みを伴い、皮がむけることもあります。症状が悪化すると、腫れや痛みがひどくなり、化膿して膿が出ることもあります。治療は外用薬です。炎症を抑えるためにステロイド剤、原因菌を殺菌するために抗生物質や抗真菌剤を使用します。
亀頭包皮炎・尿道炎を治すにはどうするの?
性感染症が原因で起こる亀頭包皮炎・尿道炎については、予防するためのポイントがいくつかあります。
まず、治療はパートナーと一緒に行うことです。性行為は、パートナーと一緒に行う行為です。どちらか一方だけが治療をしてしまうと、お互いに再感染してしまい、ピンポン感染になってしまいます。そうならないためにも、パートナーと同時に治療することが肝要です。
次に、性行為の際にはコンドームを着用することです。パートナーの体液や粘膜に直接触れなければ、感染を防げる可能性が高くなります。
第三に、治療は完治するまで続けることです。症状が和らいだり消えたりしても、病原体が体内から排除されたとは限りません。また、病原体が体内から自然に消失することはほとんどありません。悪化や再発を防ぐために、最後まで治療を続ける必要があります。
尿道炎・亀頭包皮炎の治療法
尿道炎は、クラミジアなどの細菌感染には抗生物質、カンジダなどの真菌(カビ)感染には抗真菌剤を使用し、主に内服薬で治療します。ただし、特に薬剤耐性菌が多い淋菌性尿道炎は、飲み薬ではなく、注射で投与されます。
亀頭包皮炎では、原因菌に応じて抗生物質や抗真菌剤を使用し、炎症を抑えるためにステロイド剤を使用することもあります。基本的には軟膏が処方されますが、症状がひどい場合は薬を組み合わせて服用することもあります。
軟膏には市販薬もありますが、適切な薬を使用しないと症状が悪化したり、他の病気を誘発したりする危険性があります。万が一、市販薬を使用する場合は、自己判断で選ばず、薬剤師や登録薬剤師に確認するようにしましょう。
症状の潜伏期間や膿の性状ごとの疑わしい性病
尿道から膿や分泌物が出るということは、尿道炎の可能性が高いので、性感染症が疑われることが多いようです。
性感染症によって潜伏期間や膿や分泌物の性質が異なるので、その違いから感染している性感染症を推測することができます。
以下、潜伏期間や膿の出方によって、どのような性感染症が疑われるかを解説します。
性行為後1~7日目に多量の濃い膿が出た
性交渉の1~7日後に多量の濃い膿が現れたり、激しい排尿痛を伴う場合は、淋菌性尿道炎への感染が疑われます。
淋菌性尿道炎は、性器の粘膜同士の接触や、オーラルセックスなど性器と口の粘膜の接触で感染が成立することが特徴です。
淋菌性尿道炎がオーラルセックスによって引き起こされた場合、パートナーの喉に淋菌が潜んでいた可能性が高いので、パートナーとともに治療を進めていく必要があります。
片方のパートナーだけが治療を受けた場合、感染が治癒しても、再びパートナーから淋菌が感染する危険性があります。
性行為後10日以上経ってから、淡い色のサラサラとした膿が出た
クラミジア尿道炎は、性行為後10日以上経ってから淡い色のサラサラとした膿が現れたり、排尿痛が比較的軽い場合によく疑われます。
クラミジア尿道炎も、淋菌性尿道炎と同様に、生殖器の粘膜同士の接触によって成立する感染症です。
クラミジア尿道炎も淋菌性尿道炎と同様にオーラルセックスで感染するため、治療の際には患者さんだけでなくパートナーも一緒に治療することが欠かせません。
また、クラミジア尿道炎は潜伏期間が長いという特徴がありますので、感染の拡大を防ぐためにも、できるだけ早く受診し、性行為を行うパートナーにも受診を促すことが大切です。
まずは病院や自宅で性病検査を受けてみること
尿道から膿が出たり、亀頭や包皮が化膿したりするのはショックな症状ですが、病原体の種類によって自覚症状の出方や程度が変わってきます。
異常の程度が軽かったり、しばらくして症状がなくなったりすると、デリケートゾーンの病気だから『様子を見よう』『治らないかな』と放置してしまうことがあります。
これが性感染症の落とし穴で、実は放置しておくとさまざまなリスクが発生するのです。尿道炎は1回でも発症すると、尿道から精巣、副睾丸、そして前立腺、膀胱、全身症状へと重篤な症状を引き起こす可能性があります。