- 排尿痛(尿道がチクチクする)
- 尿の混濁
- 頻尿ぎみ
細菌が尿道から侵入し、膀胱で増殖することで発症する上記のような膀胱炎の症状。
そもそも女性は尿道が短く、肛門や腟が尿道から近く細菌が侵入しやすいために5人に1人はかかるといわれていますが……
こんな場合はもしかすると何らかの性病の初期症状かもしれません。
ここでは、排尿痛や膀胱炎のような症状でお困りのアナタの知りたい……
- 膀胱炎と性病による排尿痛、自分の場合はどっちなの!?
- 膀胱炎のような症状で疑うべき性病3つ
をわかりやすく徹底解説! 単なる膀胱炎でも性病感染でも放置すれば危険なのはどちらも一緒。オシッコの痛みの原因を知って早めに解消しておきましょう。
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膀胱炎の特徴と性病による膀胱炎のような症状ってどこが違うの!?
まず最初にこの部分をハッキリさせたいという方も多いと思うので、結論から先にいうと急性膀胱炎も性病感染による排尿痛も自覚症状に大きな差が無いため、検査してみないとわかりません。
急性単純性膀胱炎とは?
膀胱炎とは膀胱に炎症が起こり、排尿時に不快感や痛みを感じる病気です。炎症は細菌によって引き起こされ、排尿痛、頻尿、尿の濁りなどを伴うことがほとんどです。炎症が神経を刺激し、膀胱に尿がないのに頻尿になります。排尿の終わりには、膀胱だけでなく、外陰部や下腹部にも痛みを伴うことがあります。また、炎症の程度にもかかわらず、出血(血尿)が見られることもあります。トイレに行くのも大変で、尿量が少なく、痛みを伴う出血を伴うこともあります。
いわゆる膀胱炎の場合、多くの女性が経験し、一生のうちに半数の女性が一度は経験すると言われています。通常、膀胱炎は比較的簡単な治療で自然に治ることが多いのも特徴です。
膀胱炎によく見られる症状
排尿時の不快感、痛み、熱感 尿が少量しか出ない、尿が濁る、臭う 頻繁な尿意 尿に血が混ざる、血尿 下腹部が痛い 少し熱があるような気がする
これらの症状は、性感染症、尿道炎、外陰炎、男性の前立腺炎によっても引き起こされることがあります。これらの症状が出た場合は、まず泌尿器科のクリニックに相談しましょう。性感染症の疑いがある場合は、婦人科や性病科の受診をおすすめします。
膀胱炎になる原因とは?
膀胱は基本的に無菌ですが、膀胱と外界をつなぐ尿道には、通常、少量の細菌が存在します。尿道が短い女性では、細菌が膀胱に侵入しやすくなります。
急性単純性膀胱炎は、通常、膀胱の細菌感染と膀胱粘膜の炎症によって起こります。あまり一般的ではありませんが、特定の薬剤や放射線治療、カテーテル治療に対する反応によって引き起こされることもあります。
①尿路の細菌感染
膀胱に細菌が侵入しても、すぐに膀胱炎になるわけではありません。膀胱粘膜には、細菌の定着を防ぐ働きがあります。しかし、加齢や免疫力の低下などにより、その防御機能が低下すると、膀胱炎を起こしやすくなります。細菌が繁殖するためには、尿が長時間膀胱にとどまっている必要があります。脱水などで尿量が減少すると尿閉が起こりやすくなります。尿路の細菌感染は、細菌が尿路粘膜に侵入・定着し、増殖することで起こります。
通常、尿路の細菌感染には明確な原因はありません。一方、女性では性交渉の後に膀胱炎を発症することがあります。尿路感染症は、肛門から尿道への細菌の移動が原因である可能性があります。これは、肛門と尿道が近い女性に起こりがちです。また、排尿後の拭き取り、タンポンの使用、ペッサリーの使用などにより、細菌が侵入することもあります。
排尿後に膀胱に残った尿が感染の原因となることもあります。排尿後に膀胱に尿が残っている場合は、尿路に詰まりがある可能性がありますので、検査をお勧めします。
妊婦の場合、骨盤腔が圧迫されて排尿が困難になることがあります。また、閉経後の女性にも膀胱炎はよく見られます。閉経後の女性の膀胱炎は、膣からの分泌物が減少し、外陰部の細菌が多様化することが原因です。
②尿道への刺激や損傷
男女を問わず、尿道が傷つくと膀胱炎になることがあります。さらに閉経後の女性では、女性ホルモンであるエストロゲンの減少により、感染リスクが高まります。
③膀胱炎と性行為
性行為が原因で膀胱炎になることはよくあります。性行為によって膀胱に入る細菌があると考えられています。また、性行為によって尿道が少し傷つくと、そこに細菌が繁殖することがあります。性交時の膣の乾燥は、さらに大きなダメージとなります。
性交後の膀胱炎を防ぐには、性交後すぐにトイレで排尿し、膀胱をきれいにすることです。性交時に膣の乾燥が見られる場合は、潤滑剤を使用する。
そもそも原因となる細菌が尿道から侵入し、膀胱で炎症を起こしている事実は一緒のため、痛みや尿の見た目で判断することなどできません。
できれば泌尿器科や婦人科で尿検査を行うか、性病の疑いが強い場合は自宅でこっそり可能な簡易検査キット等でチェックする他ありません。
次項では典型的な膀胱炎、性病感染による膀胱炎的な症状を詳しくみていきます。
通常の膀胱炎の特徴
女性の5人に1人がかかるという典型的な膀胱炎とは
- 排尿時の痛み
- 頻尿
- 残尿感
- 下腹部痛
- 尿の混濁
というのが主な自覚症状で、悪化するとパッと見てわかるほどの血尿がでる場合もあれば、ほとんど自覚症状がなく排尿時の違和感だけというケースもあります。
膀胱炎の原因
膀胱炎を引き起こす原因というのが
膀胱炎のほとんどは、細菌の感染が原因で起こり、多くは大腸菌によるものです。誘因としては、長時間トイレの我慢、風邪や過労などによる抵抗力の低下、性行為、ストレスなどがあり、尿道に細菌が侵入すると、増殖を抑えられずに、膀胱の粘膜に炎症を起こします。
などが中心です。
中にはセックスが膀胱炎の原因とお考えの方もいますが、そもそも膀胱炎と性病感染による排尿痛は別物で、膀胱炎は大腸菌や腸球菌など便や皮膚表面に存在する菌のよるもの。
ごく稀に激しすぎるセックスの物理的刺激により、膀胱炎となる方もいますが普通はセックスで膀胱炎にはなりません。
膀胱炎を放置するとどうなる!?
では膀胱炎をそのまま放置するとどうなるのか!?
アナタの免疫力にもよりますが、一部、自然治癒される方もいる一方で、逆に膀胱炎を悪化させる方もいます。
膀胱炎が深刻な状態まで悪化すると、細菌が尿管を通過して腎臓まで細菌が増殖し、結果として腎う腎炎を引き起こすこともあるため要注意です。
もし膀胱炎の症状を放置し続けた結果、高熱や腰痛といった他の症状まで自覚できた場合、腎臓にまで炎症が波及して腎盂腎炎を起こしている可能性を疑いましょう。
膀胱炎のような症状を引き起こす4つの性病とは!?
では膀胱炎の症状をふまえ、今度は膀胱炎のような症状を引き起こす性病についてみていきます。
性病の初期症状には陰部の痒みやおりものの異常など様々ありますが
特徴 | 症状 | |
---|---|---|
梅毒 | 主に粘膜の小さな傷から細菌が侵入HIVとの重複多し 男性間でのアナルセックスでの完成率高し |
約3週間程度で感染部位に米粒~小豆大の硬くて赤いしこりができる |
性器クラミジア | 男女とももっとも感染者の多い性感染症 感染者ダントツ一位 |
尿道の炎症により排尿痛、女性の場合は不正子宮出血や下腹部痛、性交痛 |
淋菌感染症 | ここ数年で男性に急増中 喉からの咽頭淋菌も急増中 |
尿道炎から強い排尿痛、尿道から黄色い膿、女性はおりもの増加、頻尿、排尿痛 |
尖圭コンジローマ | 性器周辺にとがったイボが密集してできる | 性器~肛門にかけて鶏のトサカやカリフラワーのような薄茶色のイボが集中してできる |
性器ヘルペス | 一度ウイルスに感染すると潜伏し続け体調により発症を繰り返す。比較的女性に多い | 陰茎、亀頭に水疱~潰瘍、女性の場合は外陰に水疱、破れると激しい痛みで発熱や排尿痛も |
トリコモナス膣炎 | トリコモナスという原虫が陰部に感染して発症、主に女性が感染 | 膣炎や外陰炎を引き起こし、悪臭をともなうおりものと強い痒み |
B型肝炎 | 主に血液感染が中心だが性行為によっても感染することも HIVとの重複多し |
全身の倦怠感、食欲不振、黄疸という症状が一般的、中には症状がほとんどみられない方も多い |
という具合に排尿痛・オシッコすると最後にチクチクする……という場合は
- 性器クラミジア
- 淋菌感染症
- 性器ヘルペス
- トリコモナス膣炎
が疑うべき性病になります。たとえばクラミジアの初期症状で典型的なのは、
膀胱炎と下腹部の鈍痛
昨日から膀胱炎のような症状が出ています。
ただ膀胱炎は頻繁になってしまうため気にしていなかったのですが、
おりものが黄色く、小さな塊が大量に出ています。
また下腹部もずっと鈍痛がしています。
出典 ヤフー知恵袋
と、初期症状は通常も膀胱炎に近いものの、性病感染の場合は注意深く観察すると他の症状も複数見られるケースも多く……
- おりものの量が増える・悪臭が凄い
- 不正出血がある
- 性交痛を感じる
- 下腹部痛を感じる
などを感じる場合は性病感染による膀胱炎的な症状という可能性が濃厚かもしれません。
クラミジアに関しては【膣がチクチク痒い!!】放置した結果、強烈な悪臭を放ち始めた女性のクラミジア体験談や、おりものの異常で受診したら彼氏も一緒に病院に呼び出されたクラミジア体験談などの体験談もぜひご覧ください。
性器クラミジア
膀胱炎のような症状で膀胱炎ではない場合、まず疑うべき性病はクラミジア感染症。
クラミジア・トラコマティスという菌が引き起こす病気です。淋菌感染症と同様の感染部位ですが、潜伏期間は1~3週間ですが、男性の尿道炎でも症状は弱く、半数が気付かないまま保菌しています。より深部の精巣上体炎(陰嚢内容が腫れて痛くなる)で発症することもあります。女性でも7~8割が子宮頸管炎の状態では気付かず、腹膜炎症状で発症することも少なくありません。症状がないままに卵管癒着等が起こり不妊症の原因となることもあります。治療は深部感染に至っていなければ、抗菌薬の内服で治すことができますが、精巣上体炎や腹膜炎では、かなり長期の投薬が必要です。
引用 厚生労働省『オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A』
という性病で、なんと国内感染者報告数は
とダントツに多いのが特徴。
黄色っぽくてねちょねちょ
最近おりものが多いです。色は黄色っぽくてねちょねちょしてます。咳もしていて風邪なのかな?と思ったんですが、調べてみると喉の痛みもあるみたいなのでもしかしたらクラミジアじゃないのかな、と不安になりました。
出典 ヤフー知恵袋
膀胱炎以外にもおりものの量が急激に増えた、色が黄色い、ネチョネチョしている……という場合はクラミジア感染を疑ってみましょう。クラミジアと淋菌感染症など主要2種だけ検査するなら簡易検査キットならお手頃価格で可能。
ぜひ膀胱炎の原因がクラミジアかも……というアナタは以下の簡易検査キットをおすすめします。
淋菌感染症
当ブログでも過去に何度も特集してきた淋菌感染症。
つい先日も【オシッコと一緒に白い塊が!!】尿道の痛みで発覚した淋菌感染症の体験談だったり、旦那に淋菌感染症をうつされ離婚にまで発展した性病体験談など当ブログ性病体験談でも頻繁に登場する性病。
というのが主な特徴で、淋菌という菌が引き起こす病気です。男性では尿道炎(尿の出始めの痛み、陰茎の尿道口からの黄色で粘い膿)、女性では子宮頸管炎(帯下増、約半数で無症状)が起こります。潜伏期間(感染機会から症状が出るまで)は2~7日ですが、女性では、自覚症状がないまま、骨盤腹膜炎で発症し、強い下腹部痛をきたすことがあります。更に上腹部まで感染が進展すると肝臓周囲炎を起こし、激烈な上腹部痛をきたします。治療には抗菌薬が用いられ、単回投与(注射)で尿道炎や子宮頸管炎は治る場合が多いのですが、腹膜炎になると入院治療が必要となる場合があります。
引用 厚生労働省『オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A』
感染経路 | セックス、オーラル以外、アナルや尿を使うプレイも可能性あり
分泌液の付着した手で目をこすることで結膜炎になるケースもあり |
---|---|
特徴 | ここ数年で男性に急増中 喉からの咽頭淋菌も急増中 |
潜伏期間 | 2日~1週間 |
症状 | 尿道炎から強い排尿痛、尿道から黄色い膿、女性はおりもの増加、頻尿、排尿痛 |
治療法と治療期間 | 治療は抗生物質の服用で、1週間程度で治療可能(症状によっては数週間のケースもあり) |
感染経路や治療法、治療期間は以上のようになります。
クラミジアと併発しやすい性病の1つで、初期症状がほぼ膀胱炎のような症状というのも淋菌感染症の特徴の1つです。
以下の簡易検査キットなら比較的お求めやすい金額で淋菌感染症をチェックできますよ!
性器ヘルペス
以前、【ちんちん・膣にブツブツや水ぶくれ】性器ヘルペスの症状や感染経路と治療手順という記事で特集した再発しやすい厄介なヘルペス感染症。
単純ヘルペスウイルスは口唇や口腔内に水疱・潰瘍をきたし、この感染症は痛みを伴い、治っても再発を繰り返します。症状がない時でもウイルスの排泄は続いているといわれ、オーラルセックスでこのウイルスが性器に感染し、2~5日の潜伏期を経て性器ヘルペスとして男性では亀頭や包皮に、女性では陰唇を中心に水疱・潰瘍・痛みをもたらします。治療には抗ウイルス薬の投与が行われます。
引用 厚生労働省『オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A』
という風に、膀胱炎のような症状もありつつ、陰部に水疱(水疱瘡のようなもの)が複数できてチクチク痛いのも特徴。
じっくり観察して水疱や赤いブツブがみつかった場合、ヘルペス感染症というケースが大半です。
トリコモナス膣炎
他の性病は細菌やウイルスなどの感染によるものですが、このトリコモナス膣炎はトリコモナス原虫という目に見えない小さな虫の感染によるもの。
体外でもしばらく生き続ける生命力があるため、タオルを使い回す、温泉やプール、スパといった公共の施設でも感染するケースも少なくありません。
主な症状は……
肉眼では見ることのできないトリコモナス原虫が、性器内に入り込んで炎症を起こす性感染症です。男女で寄生する場所が異なり、男性の場合は前立腺や精巣、尿道や膀胱です。女性の場合は膣内や子宮頸管、尿道や膀胱に寄生します。
引用 あおぞらクリニック
という初期症状はやっぱり膀胱炎に近いため膀胱炎と勘違いされる方も多数います。
このトリコモナスを放置するとかなり危険、
など女性にとって深刻な症状に発展するケースも多いため要注意の性病の1つです。そのまま症状が現れない女性は感染に気付かないので、炎症が卵管にまで拡大し、最悪の場合、不妊や流産・早産のリスクが生じてしまいます。
引用 あおぞらクリニック
検知するのが難しいといわれるトリコモナスなので、もし検査される場合は以下のような大きなラボで精度の高い検査を行う会社の検査キットをご利用ください。
まとめ
以上、セックスの数日後、
- 排尿時の痛み
- 頻尿
- 残尿感
など膀胱炎のような症状が不安な方にむけ、通常の膀胱炎と性病感染の違い、さらに初期症状が膀胱炎の症状に似ている性病4つをご紹介しました。
通常の膀胱炎でもクラミジア、淋菌感染症などによる性病感染によるものでも基本的に自然治癒しないため、何らかの治療が必要です。
ぜひ膀胱炎かな……と感じた場合、1日も早く婦人科・泌尿器科を受診する、または自宅で性病感染か確認できる簡易検査キットでこっそり確認した上でクリニックで治療されることをおすすめします。