「性病かも…何科を受診すれば?」
「病院で先生に何ていえばいい?」
もしかして性感染症のような症状がみられ、病院・クリニックで検査しようかお悩みでは?
ここでは性感染症らしき症状がみられ、これから受診される予定の方にむけ、
- 「何科を受診すればよいの?」
- 「病院で何ていえばいいの?」
など性病検査によくある疑問にお答えし、さらに検査の流れまで詳しく解説します。
これからクリニックを受診される際の参考にしてみてください。
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症状がある部位の治療を専門に行う病院・クリニックがおすすめ
「これは明らかに性病ってぽい・・・とりあえず性病科を受診すべき?」
いざ病院へ行く際、上記のような「何科を受診すれば」と悩まれる人も多いです。しかし結論からいうと、何科を受診すべきかは、現在みられる症状や異変の生じた部位によって違います。症状や部位に合わせたか「科」を受診するのがベストです。
症状がある部位の治療を専門に行うクリニックを受診
性病の検査や治療ができる病院・クリニックを探す場合、性器に症状があるのか、あるいは喉や他の周辺の皮膚に異常があるのかなど、症状のある部位によって、受診する科はある程度決まってきます。以下、男女別に詳しく解説します。
男性の場合・・・
泌尿器科 | 性器の周辺にデキモノができた |
---|---|
皮膚科 | 喉が痛い、喉に違和感がある |
耳鼻咽喉科 | 喉が痛い、喉に違和感がある |
尿道や亀頭、陰茎、陰嚢など、性器そのものに症状がある場合の診療科は泌尿器科です。基本、泌尿器科は男性の生殖器系が専門で、性器周りの病気や治療に詳しいのが特徴です。また性器周辺の皮膚に症状がある場合は皮膚科を受診します。
皮膚科は皮膚の病気の専門科。手足、顔、身体から耳、鼻、口の中まで、器具を使わずに肉眼で見える部分はすべて診察の範囲になります。症状のある部位が喉の場合は耳鼻咽喉科をおすすめします。
※ただしそれぞれその部位の専門科であっても、性感染症に特化しているわけではありません。性感染症については性病科のような性病の専門科の方が専門的な処置をしてもらえるケースも多いです。症状や近隣のクリニックの状況に合わせて受信してください。
女性の場合・・・
婦人科 | おりものに異変がある、性器にデキモノができた |
---|---|
皮膚科 | 性器の周辺にデキモノができた |
耳鼻咽喉科 | 喉が痛い、喉に違和感がある |
おりもの、外陰部や膣の中など、女性の性器そのものに症状がある場合は婦人科を受診します。婦人科は、月経やおりものの異常、子宮や卵巣、乳房、そして女性器の病気など、女性特有の病気が専門です。
ちなみに女性専門というと産科もありますが、産科は妊娠期から産褥期の人向け。女性の幅広い疾患に対応するのは婦人科になります。性器そのものではなく、周辺に異常がある場合は皮膚科へ、喉に異常があるなら耳鼻咽喉科を受診します。
※ただし、男性の場合と同様、婦人科や皮膚科、耳鼻咽喉科は性感染症に特化しているわけではありません、性感染症については性病科のような性病の専門科の方が専門的な処置をしてもらえるケースも多いです。症状や近隣のクリニックの状況に合わせて受信してください。
性病専門の病院・クリニックで性病検査・治療を受ける
性病の疑いがある場合、性病の検査・治療を専門に行う性病科・性病専門の泌尿器科という選択肢もあります。
性病科は、正式名称を性感染症内科と言い、性感染症全般を専門とする診療科。男女問わず、性感染症全般が診察の範疇となり、泌尿器科、婦人科はもちろんのこと、内科、皮膚科なども扱います。
まだまだ数少ないですが、新宿や池袋などの東京都内をはじめ、神奈川、埼玉、千葉といった関東エリア、また大阪などの大きな都市部には、泌尿器科とよばれている病院・クリニックでも性病の検査・治療を専門としているところがあり、性病科同様、性病全般に知見を持っています。
またクリニックによっては検査結果が即日確認できるため、陽性の場合はすぐに治療を開始できるのも大きなメリットです。
性病かもしれない!? 受診のとき受付で「何て言う?」
「性病について受付カウンターで何て言えばいいの?」
症状が症状だけに、受付や予約の際、恥ずかしくて何と申し出ればよいのか悩む方もいるようですが、結論からいうとそんな悩みは不要です。
一般の病院でも問診票に記入することが多いので、実際にはさほど心配する必要はありませんが、性病専門の病院・クリニックであれば、検査をしたいことだけを伝えれば十分です。
部位・症状から明らかに性感染症の疑いがある場合、診察時に必要に応じて先生が問診・検査を行ってくれます。質問されたことに正直に答えさえすれば、性感染症をふくめて総合的に判断してくれます。
泌尿器科、耳鼻咽喉科などでは、診察の範疇が決まっていたり、性感染症専門でなかったりすることから、治療できる範囲がどうしても限られてしまいます。その点、性病専門の病院・クリニックであれば、性病に由来する症状であれば、性器以外の内科、のどや肛門なども含め、幅広い治療が可能になります。
性病検査と治療で知っておきたい【保険適用】と【自由診療】
「性病検査って保険適用なの?適用されないの?」
性病の検査や治療ができる病院・クリニックを探している際、健康保険が適用される保険診療と適用外の自由診療のクリニックがみつかります。
費用面だけに注目すれば保険診療の方が安いですが、違いは実はそれだけではありません。以下、それぞれのメリット・デメリットを説明します。
保険診療(保険適用される治療)のメリット・デメリット
保険診療(保険適用される治療)のメリットは「費用が抑えられる」こと。しかし保険適用は、症状が出ている場合に限られます。つまり性行為のあと「今のところ症状はないが感染の可能性があるから検査したい」というような場合は保険診療の適用外になります。
保険診療の場合、風邪やケガなどで受診する場合と同じく受診者の費用負担は3割です。ただし保険適用には条件があり、すでに症状があることが必要です。
また保険適用によるデメリットは、健康保険証を使うため匿名での検査・治療ができません。年1回手元に届く「医療費のお知らせ」にも記載されてしまう点です。
結果、会社や家族など周囲にバレる可能性は多少あるため、誰にもバレずに性病検査を受けておきたい方にはお勧めできません。またすべての性病が保険診療の対象になるわけではなく、検査や処置の方法にも制約が出る点もデメリットと言えます。
自由診療のメリット・デメリット
自由診療のメリットは、症状がない状態でも即日の治療が可能なこと。さらに検査・治療に制約がないこと。また保険証を提示しないため、匿名での受診が可能な点です。
自由診療とは、公的な医療保険が適用されない治療のこと。全費用が受診者の負担となりますが、多くのメリットがあります。
症状が出ていない段階でも検査が可能。例えば、性交渉の相手が性病だったと後で分かり、まだ自分に症状はないが心配だから検査したいというような場合、保険診療では適用外ですが、自由診療であれば対応可能です。
そして治療を即日始めることができる点です。保険診療のように、検査結果を待つ必要はありません。さらに健康保険証を使わないので、検査や治療が匿名でできるということ。「医療費のお知らせ」に受診機関名が記載されることもありません。
この他自由診療の病院・クリニックは、日曜・祝日や夜間の診療に対応しているところも多く、急な症状で対応してもらいやすい部分もメリットの1つです。
性病は、病気の性質上、相談したり、検査したりといった抵抗を感じる方が多いかもしれません。「どういう病院へ行けばよいのか?」「何科を受診すればいいのか?」「受付で何と言えばいいか?」「受診すること自体がそもそも恥ずかしい…」。こんな方は、性病の治療に精通し、受診者の事情を心得ている性病専門の病院・クリニックで受診するのがおすすめです。
性病受診前に確認すべきポイントまとめ
「性感染症かも・・・何に注意して受診すればいいの?」
以下、性病科、クリニック受診前に注意すべきポイントをまとめてみました。ぜひ受診前にご確認ください。
①検査前はできるだけおしっこを我慢しましょう
かつて男性の尿道炎は、尿道に綿棒を挿入し、尿道粘膜の細胞をこすり取ることで検査をしていました。
今はもうこんな恐ろしいことをする必要はありません。その代わり、おしっこ検査でできるようになりました。この検査の前に、尿道の出口をガラスにスタンプする簡易検査がありますので、検査がうまくできるまで、最低でも2時間はおしっこを我慢する必要があるかもしれません。
検査ができない場合は、後日、再診をお願いすることがあります。またパートナーが明らかに感染している場合は、精密検査を省略することがありますので、男性同様、女性もおしっこを我慢してから来院してください。
検査直前に入浴すると検査ができなくなりますので、来院直前に入浴やシャワーを浴びないでください。性器ヘルペス、尖圭コンジローマなどの皮膚・粘膜疾患の場合、尿検査は行いませんので、おしっこを我慢する必要はありません。
②パートナーと一緒に受信がベター
性病は自分一人だけがかかる病気ではありません。性環境汚染と考え、パートナーと一緒に積極的に検査・治療を受けてください。ただし病気によっては無症状の方では検査ができない場合があります。
③時間に余裕をもって検査を受けよう
一般に性病検査は比較的簡単で時間もかかりませんが、検査や皮内反応、注射薬を安全に使用するための点滴などに時間がかかることがありますので、受付終了の1時間前までに来院してください。
④いつから、どんな症状が出たのか?情報を整理しておこう
問診中、うまく伝えられない人もいます。特に性病科では、恥ずかしくて説明できないことがあります。
医師は必要なこと以外は聞きませんので、恥ずかしがらずに落ち着いて質問に答えましょう。性病科の診察で重要なのは、「いつから症状が出たのか」「いつ、誰と性行為をしたのか」ということです。
パートナーとは、大雑把に言うと「相手」です。パートナーとは、大まかに言うと、『恋人』『交際している人』『カジュアルセックス』『風俗店』などです。パートナー』『交際している人』の場合は、本人を診察して治療する必要があります。それ以上詳しくお聞きする必要はありませんし、ご本人の許可なく病状をパートナーに知らせることはありませんので心配は不要です。
かならず最後まで治療を継続すること
男性尿道炎で6ヶ月以内に再発した方のほとんどは、最終検査を受けなかったか、パートナーへの治療を行わなかったという結果が出ています。
性病の症状のほとんどは自然に消失するため、完治していなくても「もう治った」と勘違いしてしまうのが人間の性です。
しかし、病気は人間の都合に応えてはくれません。むしろ、生き延びるチャンスを与えられたことを喜んでくれるはずです。多少面倒でも、医師が「大丈夫」と言うまで、通院を続けることです。
性病検査に関するよくあるQ&A
以下、性病らしき症状がみられてクリニックを受診される方によくある疑問をまとめてみました。
性病かも? 保健所と病院はどっちがいいの?
保健所では無料で匿名で検査ができますが、病気の種類や検査時間が限られているので事前に確認が必要です。病院は検査が有料ですが、病気が見つかればすぐに治療を開始することができます。
中でも性病科のような特化したクリニックの場合、検査の種類も豊富な上に耳鼻咽喉科や皮膚科にくらべ対応できる性感染症の幅も広いのが特徴です。もし具体的な症状がでている場合は、病院(できれば性病の専門クリニック)をおすすめします。
病院の費用はどのくらいかかる?
病院での検査や治療は、症状があれば保険が適用され、保険証を持参すれば料金は7割(3割負担)に軽減されます。
初診料は、初診料と診察料で5,000円前後が多いようです。また、事前に「●●円の範囲で検査をしてほしい」と伝えておくとよいでしょう。
一方、保険証を使っている場合、加入している組合から診療費のお知らせが届くことがあり、保護者に診療日や金額、病院名などが明らかになることがあります。
ただし、たとえば性器や精巣の炎症、生理痛、膣炎、膀胱炎などは、性経験のない方でも発症することがあります。泌尿器科や産婦人科を受診したからといって、必ずしも性行為が原因とは限りませんので、保護者に聞かれたときにしっかり答えられるように準備しておくと安心です。
検査はどんな内容なの?
尿や分泌物、おりものなどの検査と、血液検査を行います。検査や診察で気になることがあれば、医師に質問してください。
また郵送タイプの検査キットの場合は、各販売元サイトで詳しく内容を説明しています。疑わしき性病に対応した検査キットの項目で詳しい検査内容と検査の流れをご確認ください。
性感染症の治療はどのようなことをするの?
治療内容や治療期間はそれぞれ性感染症ごとに違います。参考までに以下に代表的な性感染症の治療内容をまとめてみました。
病名 | 特徴と症状 | 治療法と治療期間 |
---|---|---|
梅毒 | 主に粘膜の小さな傷から細菌が侵入
主な症状約3週間程度で感染部位に米粒~小豆大の硬くて赤いしこりができる |
炎症を起こしている部位に1週間~10日間、抗真菌剤入の軟膏または膣剤 |
性器クラミジア | 男女とももっとも感染者の多い性病(性感染症)
主な症状尿道の炎症により排尿痛、女性の場合は不正子宮出血や下腹部痛、性交痛 |
抗生物質の服用あるいは注射により2週間ほどで治療可能 |
淋菌感染症 | ここ数年で男性に急増中
主な症状尿道炎から強い排尿痛、尿道から黄色い膿、女性はおりもの増加、頻尿、排尿痛 |
治療は抗生物質の服用で1週間程度で治療可能(症状によっては数週間のケースもあり) |
尖圭コンジローマ | 性器周辺にとがったイボが密集してできる
主な症状性器~肛門にかけて鶏のトサカやカリフラワーのような薄茶色のイボが集中してできる |
ベセルナクリーム等、軟膏の場合だと8~16週間程度
外科的切除の場合も、再発のリスクを考えても術後3ヶ月は経過をみる必要あり |
性器ヘルペス | 一度ウイルスに感染すると潜伏し続け体調により発症を繰り返す。比較的女性に多い
主な症状陰茎、亀頭に水疱~潰瘍、女性の場合は外陰に水疱、破れると激しい痛みで発熱や排尿痛も |
抗ヘルペスウイルス薬の飲み薬や塗り薬によって1~3週間程度で症状がおさまる(症状がおさまるだけで持続感染はしています) |
トリコモナス膣炎 | トリコモナスという原虫が陰部に感染して発症、主に女性が感染
主な症状膣炎や外陰炎を引き起こし、悪臭をともなうおりものと強い痒み |
内服薬を1週間~10日、場合によっては膣錠を用いる |
性感染症の治療では、内服薬、塗り薬、注射薬などを使って病原体を死滅させます。
治療中に症状が治まっても、自己判断で治療を中止すると、病原体・ウイルスが完全に排除されず症状が再発したり、病原体・ウイルスが薬に耐性を持つようになったりすることがあります。
薬は、医療機関から指示された用法・用量に従って服用することが大切です。
また、自分が感染していることがわかっている場合は、症状がなくてもパートナーに検査を受けるようお願いし、自分が感染している場合は一緒に治療しましょう。
なぜなら自分が性感染症に感染している場合、パートナーも感染している可能性が高く、自分が治療を受けても、パートナーが感染したままだと、自分が再び感染する可能性があるからです。
まとめ
以上、性病らしき症状がみられてクリニック受診や性病検査を検討中の方にむけ、何科を受診すべきか?、どんな流れで検査が行われるのか? クリニック受診時の注意点などご紹介しました。
はじめての性感染症らしき症状という方にとって、クリニック受診や性病検査は不安ですが、感染後なるべく早期に治療した方が治療期間もみじかく、他の性病感染のリスクも抑えられます。「おや?」と気になった場合は早期にクリニック受診、または簡易検査キットでも構いませんので試してみてくださいね。